せせらぎ めも

3月生まれなので、春が大好き、 O型なので、大雑把 イラストと、音楽が好き、詩とかも書いたりしてます・・・

カテゴリ: 短編小説 

5
白い服、白い靴

ユーミンの20年くらい前(2023年現在30年に成ります)の、作品
それを、文章にしてみました・・・・・・
 

大学に通う頃から、
あたしは、この地下鉄を使うようになった
そして、
彼とも、ここで出逢った
一目惚れってやつです。
顔見知りから、
やがて、付き合うように、
充実した、キャンパスライフ
夢見てた通り、楽しい毎日
でも、それは、「永遠」では、なかった
彼の卒業・・・・
そして、就職・・・・
あたしより3つも、早く、
社会へ巣立って行った彼は、
やがて、それまでのようには、合うことも出来なく成って行った
不満は募る
でも、「仕方無い」を何度も、口にする彼を
何時までも追い掛けていられる程、
あたしの心は、強くもなく
次第に・・・・・
そう、自然消滅・・・・
でも、始まりの頃の熱を上げていたあたしは、
自分でも、意外な程あっさりしていた、
そんなに、悲しまない自分に
嫌気が差して来てしまう
「何なの、あたし」ってね
 
 
 
そんな事も、忘れ掛けてしまうくらい
時が流れて、いよいよ、
私も卒業を迎えた
実家から出て
一人暮らしも始めた
随分、苦労したけど、なんとか、社会人にも成れた
しかし、何故か?
この路線に拘った
住家も、会社も
学生の頃との違いは、
一つ、乗り換えが増えた事かしら、
それでも、通い慣れたこの路線を
休日以外は、乗り続けて居る
自分としては、「偶然」を、装いたいのだけど
意図的である事に、疑いの余地はナイ
 
そんなある日、
驚くべき事が起きる

何時もの、見慣れた車内に、
在ろう事か、
イキナリ、彼の姿が!!!!
 
うそぉ~~~
 
見間違いではナイ
確かに、彼だ

彼も、あたしに気付く

驚いた顔は、お互い様だ、
互いに、同じセリフを・・・・・・
「何で、居るのぉーー???」
「恋」をしあった者同士の再会、
う~~~~~ん、劇的!!!
ドキドキが、止まらない
ついつい、声のボリュームは、上がっていってしまう

しかも、彼
ますます、カッコ良く成ってる、

けど、悲しいかな、
今のあたしの住居は、次で、乗り換え、

ダメダメ、
このまま、お別れしては、
でも・・次の言葉が出て来ない・・・・・・
 
「じゃあ、」
 
 ・・・・・
 
・・楽しかったの
そう、
とっても、

まだ、好きだった事、
自分でも、気付けなかった・・・
 
 
 ・・

「ねぇ!!!!!」
彼が、両手を口に添えて叫ぶ

思わず振り返った、あたし、
 

「何時も、待ち合わせしたトコ」
「次の日曜、10時に、待ってる」
「ダメ?」
 
 
 
 
 
 
「行く!!!」
「絶対、行くから」
 
「うん」
「じゃあー、待ってるから」
 
 
 
 
 
 
 
グゥヒヒヒッヒィ~~~~~~~~~~~
約束しちゃったぁ~~~
 
 

あたし、
自分でも、大丈夫か?って思うくらい
顔、崩れてるゥ~~
絶対、そうだよ
判るもん、
想像着く、
 
まぁーそんなコタァ~~~どうでもよろし、

グゥヒヒヒッヒィ~~~~~~~
 

そっからの日々の永い事長いコト
時間の過ぎるのの、遅い事
 
でも、イインだぁ~~~
逢えるんだ、ダーリンに、

永くは、感じたものの
何して過ごしたのか、記憶がナイ
あれっ??
とにかく、毎日、ダーリンのコトばかり考えていたのさ、
ワルぃーー??

グゥヒヒヒッヒィ~~~~~~

いよいよ、土曜日、
前日よぉ~~~
いけねぇーーー
何、着てコ、
しまったぁ~~~
着てく服、用意するの忘れたぁ~~
痛恨!!!
って、何時、今、
 
くぅあ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーー
 
開いてないよぉ~~お店、
コンビニコンビニって、コンビニに服あるかぁーーーー
あたし、
やっちゃったぁ~~~~

こうなりゃあ、有るモンで何とかするしかない

コレは、
う~~~~ん、ダメ
ンじゃあ~~こっちは、  尚、ダメっっっ!!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛
お部屋が、エライ事にィ~~~~~

すると、タンスの一番下、
しかも、奥の方、
こりィはぁぁぁぁ!!!!

こんなトコにィ~~~
 

真っ白のワンピー
 
実は、コレ、
彼とのファースト・おデートの時、
着てったやつじゃ~~~~~ん!!!!!!
 
エライ、あたし、!!!!
 
おっと、靴もだぁーーー
上、白なんだから、揃えなくちゃね
有る有るあるある~~~
白のローヒー、

やったね、あたし、!!!!!!

その時のあたしは、、実際、ヤバイ状態、
だって、だってぇ~~~
当たり前田の・・・・・んっ??何だっけ???
とか、そんなのどーーでもよろし

よっしゃあ~~~
明日は、決めてやるぅーーー
 
おっと、まずはお風呂しなくちゃ
ミガイテぇ~~ミガイテぇ~~だね
グゥフフフフッフ~~~
 
 
 
 

朝、
あんだけ、一人大騒ぎした割に
しっかり、寝たよぉ~~
睡眠は、美貌の元だもんねぇ~~~~
コイコイコ~~~~イ!!!

ってか、
天気とか、どーなん??
カーテンを開けて
窓も開けてみた、




うそぉーーー



外、
土砂降り?・・・・・・・


うそぉー・・・・・・
 

なんで?・・・・・
 
 

意気込んで
選び出した服をたたんで、元のトコへ戻した

強い、雨を見つめながら
彼へ電話する、

「ごめんね、予定が出来ちゃった」
「えっ??」
ピッ!!
 
 
何が、そんなに
嬉しかったんだろう
何に対して・・・・・・




終ってる恋じゃん・・・・・・
 
 
 

あたしは、
あたしって言う 女に嫌気が差した

こんなに、自分が嫌に思えたのは、
初めてだ、
 
 
雨音は、
心に刺さるように
ずっと、止む事はなかった。


2021091000026




せせらぎ


蛙化現象ってのキーワードの上位に上がってんのを聞いたけど・・・こう言うコトかな・・・?

白い服、白い靴

ユーミンの20年くらい前の、作品
それを、文章にしてみました・・・・・・
 

大学に通う頃から、
あたしは、この地下鉄を使うようになった
そして、
彼とも、ここで出逢った
一目惚れってやつです。
顔見知りから、
やがて、付き合うように、
充実した、キャンパスライフ
夢見てた通り、楽しい毎日
でも、それは、「永遠」では、なかった
彼の卒業・・・・
そして、就職・・・・
あたしより3つも、早く、
社会へ巣立って行った彼は、
やがて、それまでのようには、合うことも出来なく成って行った
不満は募る
でも、「仕方無い」を何度も、口にする彼を
何時までも追い掛けていられる程、
あたしの心は、強くもなく
次第に・・・・・
そう、自然消滅・・・・
でも、始まりの頃の熱を上げていたあたしは、
自分でも、意外な程あっさりしていた、
そんなに、悲しまない自分に
嫌気が差して来てしまう
「何なの、あたし」ってね
 
 
 
そんな事も、忘れ掛けてしまうくらい
時が流れて、いよいよ、
私も卒業を迎えた
実家から出て
一人暮らしも始めた
随分、苦労したけど、なんとか、社会人にも成れた
しかし、何故か?
この路線に拘った
住家も、会社も
学生の頃との違いは、
一つ、乗り換えが増えた事かしら、
それでも、通い慣れたこの路線を
休日以外は、乗り続けて居る
自分としては、「偶然」を、装いたいのだけど
意図的である事に、疑いの余地はナイ
 
そんなある日、
驚くべき事が起きる

何時もの、見慣れた車内に、
在ろう事か、
イキナリ、彼の姿が!!!!
 
うそぉ~~~
 
見間違いではナイ
確かに、彼だ

彼も、あたしに気付く

驚いた顔は、お互い様だ、
互いに、同じセリフを・・・・・・
「何で、居るのぉーー???」
「恋」をしあった者同士の再会、
う~~~~~ん、劇的!!!
ドキドキが、止まらない
ついつい、声のボリュームは、上がっていってしまう

しかも、彼
ますます、カッコ良く成ってる、

けど、悲しいかな、
今のあたしの住居は、次で、乗り換え、

ダメダメ、
このまま、お別れしては、
でも・・次の言葉が出て来ない・・・・・・
 
「じゃあ、」
 
 ・・・・・
 
・・楽しかったの
そう、
とっても、

まだ、好きだった事、
自分でも、気付けなかった・・・
 
 
 ・・

「ねぇ!!!!!」
彼が、両手を口に添えて叫ぶ

思わず振り返った、あたし、
 

「何時も、待ち合わせしたトコ」
「次の日曜、10時に、待ってる」
「ダメ?」
 
 
 
 
 
 
「行く!!!」
「絶対、行くから」
 
「うん」
「じゃあー、待ってるから」
 
 
 
 
 
 
 
グゥヒヒヒッヒィ~~~~~~~~~~~
約束しちゃったぁ~~~
 
 

あたし、
自分でも、大丈夫か?って思うくらい
顔、崩れてるゥ~~
絶対、そうだよ
判るもん、
想像着く、
 
まぁーそんなコタァ~~~どうでもよろし、

グゥヒヒヒッヒィ~~~~~~~
 

そっからの日々の永い事長いコト
時間の過ぎるのの、遅い事
 
でも、イインだぁ~~~
逢えるんだ、ダーリンに、

永くは、感じたものの
何して過ごしたのか、記憶がナイ
あれっ??
とにかく、毎日、ダーリンのコトばかり考えていたのさ、
ワルぃーー??

グゥヒヒヒッヒィ~~~~~~

いよいよ、土曜日、
前日よぉ~~~
いけねぇーーー
何、着てコ、
しまったぁ~~~
着てく服、用意するの忘れたぁ~~
痛恨!!!
って、何時、今、
 
くぅあ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーー
 
開いてないよぉ~~お店、
コンビニコンビニって、コンビニに服あるかぁーーーー
あたし、
やっちゃったぁ~~~~

こうなりゃあ、有るモンで何とかするしかない

コレは、
う~~~~ん、ダメ
ンじゃあ~~こっちは、  尚、ダメっっっ!!!!!

あ゛あ゛あ゛あ゛
お部屋が、エライ事にィ~~~~~

すると、タンスの一番下、
しかも、奥の方、
こりィはぁぁぁぁ!!!!

こんなトコにィ~~~
 

真っ白のワンピー
 
実は、コレ、
彼とのファースト・おデートの時、
着てったやつじゃ~~~~~ん!!!!!!
 
エライ、あたし、!!!!
 
おっと、靴もだぁーーー
上、白なんだから、揃えなくちゃね
有る有るあるある~~~
白のローヒー、

やったね、あたし、!!!!!!

その時のあたしは、、実際、ヤバイ状態、
だって、だってぇ~~~
当たり前田の・・・・・んっ??何だっけ???
とか、そんなのどーーでもよろし

よっしゃあ~~~
明日は、決めてやるぅーーー
 
おっと、まずはお風呂しなくちゃ
ミガイテぇ~~ミガイテぇ~~だね
グゥフフフフッフ~~~
 
 
 
 

朝、
あんだけ、一人大騒ぎした割に
しっかり、寝たよぉ~~
睡眠は、美貌の元だもんねぇ~~~~
コイコイコ~~~~イ!!!

ってか、
天気とか、どーなん??
カーテンを開けて
窓も開けてみた、




うそぉーーー



外、
土砂降り?・・・・・・・


うそぉー・・・・・・
 

なんで?・・・・・
 
 

意気込んで
選び出した服をたたんで、元のトコへ戻した

強い、雨を見つめながら
彼へ電話する、

「ごめんね、予定が出来ちゃった」
「えっ??」
ピッ!!
 
 
何が、そんなに
嬉しかったんだろう
何に対して・・・・・・




終ってる恋じゃん・・・・・・
 
 
 

あたしは、
あたしって言う 女に嫌気が差した

こんなに、自分が嫌に思えたのは、
初めてだ、
 
 
雨音は、
心に刺さるように
ずっと、止む事はなかった。
 


 
 
 
せせらぎ

土に残った汗の匂い  最終章(再編集版)

第3章

は・し・れ

は・し・れ





今、この町の中学校のマラソン大会が、行われています、
出場資格が有るのは、

1.この中学校の生徒で有る事。
2.それ以外の場合、この中学校の許可を得て、特別、了解を得ている
者とする。
3.健康面に問題なく良好な状態で有る事。

現在、独走状態で2位以下を大きく引き離している、ランナーは、前の3つの約束を、全て破って、どんなにいい成績を修めても、正規には認められ
る事のない、小学5年生のわざと風邪を引いて、熱をだして、
無理やり出場し、みんなを困らせている、少年です。


走二くんは走り続ける、誰にも追い着けない程のスピードで、

あたし達、今、何しにここに来ているの?
瞬きするのも忘れて、彼を見つめて、
彼は何の為に走ってるの?
こんなに沢山の人達に迷惑を掛けて。

ねぇ
走二くん、教えて?言いなさいよ、答えなさいよ
そ・う・し゛・・・・・・く・・・ん・・・・



その時、突然、走二くんが、立ち止まったの、咽こんで、苦しそう、
ついには、両手と膝を地面落として、俯いたまま、
みんなが一斉に駆け寄ります。

「よーーーし動くな走二」
「ええからええから、そのまましてろ」
「救急車じゃー誰か、すぐ救急車を呼んでくれ」
「よーがんばったのぉ、もうええ、うん、もうええ
から」

「大丈夫か走二」
「中学生相手にここまで、ようやったなぁ」
「さぁ病院へ行こう」















は・し・れ・そ・う・じ


は・し・れ・そ・う・じ


は・し・れ・そ・う・じ

















「ううっー」
「うぁっー」

「あああああああああああ」
走二くん叫んだ!!!

そうして、立ち上がろうとしている、必死に起き上がった。
「走二、駄目じゃ、起きたらいけん」
「じっとしとらな、あかんよ」
先生もみんなも走二くんを阻もうとしていた


でも
でも
でも


「触っちゃ駄目ぇえ!!!」
思わず、叫んじゃった、あたし、生まれて初めて、こんな、大きい声で、 
あたしにも、有ったんだ、こんな声。

「走るんだよね」
「そうよね、まだ、走るんでしょ」
「そうよ、負けちゃ駄目よ」
「お兄さんがゴールであなたが来るのを待ってるわ」

「そうだ、そうだ、がんばれ走二」
「走二、負けんなぁ」
「よーし、俺達が付いてるからよぉ」
「行けぇー走二」

あたしの一言が、彼を止めようとしていた集団を、一気に、応援する集団
に変えちゃった。

走二くんが、再び走り始めました、その後を、彼の大応援団が続きます
さらにペースを上げる彼、もう、誰も止められない。

風のように、力強く、一歩一歩・・・・


は・し・れ

は・し・れ

は・し・れ
















見えて来た!!!!









ゴールが!!!!













もう少し


もう少し


来た来た来た!!!!!・・・


1等賞よ、中学生相手に、小学生の彼が、すごいでしょ!!!!
あたしの、クラスメートなんだから、
すごいでしょう!!!!


もう少し
もうちょい





  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  




走二くんが























走二くんが・・・・倒れちゃった、ゴールまで、ほんの僅か残して、
土の上に、うつ伏せに・・・


「おっ・・・おんなじじゃあ」
「あん時と おんなじじゃあ」
と、先生が・・・・・























は・し・れ




















は・し・れ




















走二、

上、見上げてごらん

空が、広がってるだろ

きれいな、大空

おっきいだろ

いいかい

つらい事が、有ったら

いつでも、空を見上げてごらん

くもってたって、関係ない

はれる迄、まってればいいのさ

はしれ、そうじ

いっつでも

この、大空に

おれが、居るからな





















倒れてる、走二くんは、何処となく、嬉しそうで、笑ってる様にも見えた、
わざと、風邪を引いて、熱を出して・・・
お兄さんとおんなじ・・・・

真似してみたかったのね、
大好きな、お兄さんの、おんなじトコに倒れて、
ひょっとして、
その土の上には、まだ、
お兄さんの、汗の匂いが・・・

残っていたのかも知れません。




読んでくれて、ありがとう   おわりです   せせらぎ



何か、もう書いて。。随分と過ぎてしまったので、またまた・・またまたまぁ~た、載せてみますよ。
2018.11.10  瀬羅せせらぎ

さ、載せかけた短編・・ラストです、私は定時制高校卒です、その卒業文集に、この物語を載せました、ま、普通、文集には、あの想い出この想い出・・って語るのが、当たり前、其処へ、何故か私は、初めて、公の場に、自作の物語を掲載した訳です、「ふざけるな」・・と、担任から怒られると思いきや・・私よりもイタク、この作品を気に入った先生は、誤字脱字を修正して、ノリノリで、載せてくれました、定時制だからこそ、許される「軽さ」だったのかも・・・・                  せせらぎ



何故、逃げ出さない。
 
それ程、根性のある人間では無い筈、
2~3日は、興味半分に初めて遣る事を、
ドキドキさせてやって来た
行の辛さを、忘れてしまっている訳ではない
食事にしても、相変わらず肉などはない、
が、
しかし、日に日に自分の身体は、
自然の一部へと、解け込んで行くのが
感じられる、
スレたセリフは、
和尚によって皆
押し潰される、
反論する事よりも、
掛けられるその言葉を、
心に記していきたいと、思う、
和尚は完璧だった、大人だった。
大自然の中を堂々と歩き
堂々とものを喰らい。
無限に幾冊も読み、
すべてに対し正面であり、
田舎者であり、
好色そうな坊主である、
そんな人物と偶然、出くわし
説教を受けて居る、
行に慣れて行く身体と
「空」の世界、
 
「何処か、変わった様に見えませんか和尚様」
 
「そうですな、変わられましたよ」
 
「ハイ、何かすっきりした様に感じるんですよ」
 
 
 
 
「でも、貴方は帰って行かれる・・・・・
そう、元の場所へとですな、
そして又、苦しむ、ここへ来る、
そして、又又・・・・・悪循環ですな」
 
「そうですね」
 
「貴方を固めるものとは、何ですかな」
 
「そ、そうですね」
鸚鵡の様に、同じ言葉を返すだけだった、
 
「風の様に生きれば良いでしょうに」
 
「えっ!」
 
「早、初めから頑なに何かを決め込んで、
自分はこうなんだ、自分はこう生きるのだと、
間違っていた事に気付いても、尚、努力する・・・・・
まぁそれはいい、
努力は、いい、
しかし、目標とする所まで辿り着く事は滅多にない、
従って、何れ疲れてしまう」
 
「そ!そうですね」
 
「漂うがままに生きれば、
己の心を何処へでも旅させる事が出来る、
違いますかな?
例えば貴方はここに来て、
無理にでも何かを掴んで帰ろうとする
云わば石と同じものです、
石は千年、じっと動かなくても、
己に苔を付けようとする、
雨が降ろうが
北風が、吹こうが、
やがて、雪に埋もれようが、
変に意地になって・・・・・・」
和尚様の声は、本堂の中を木霊した、
堂の外では、山からの風音が、
カサカサ、メロディーを奏でてる、
 
一日の行を終え部屋に戻る
和尚様の部屋は今夜もまた、遅く迄
灯りが付いて居た
真似をするつもりではなかったが
蝋燭を一本置き、火を灯す、
部屋の中にはソレしかない、
目は閉ざ去れたまま暗闇の空間が拡がって行く、
「無」の行に入ろうとしたが、
僅かな音が耳へと入って来る
静かな山寺故に大きく響く
想像を始めてしまう
「空」には、なれない
和尚様の部屋の灯りは、消えていた
しかし、まだ眠れはしない、
何の音だ・・・・・・
それが、蝋燭の炎の音と気付くには、
時間が掛かった、
風も無く、炎は真っ直ぐ燃える
そして、僅かに音を発している、
林を歩き、森を分け入った
梢を渡る風はやさしい、
痛む足を引き摺る様にして歩いた
山登りの行、
自然の音が、これ程にやさしいものとは知らなかった、
輝いた日々、
あの頃は、
本気で人を愛し憎んだ、
今日はどうだろう、
生きて行く知恵は、身に付いた
それを得る為に
一心に何かに取り組むと言う事は無くなった、
年を重ねると言う事は、
余分なものを身に着けて行く事かも知れん、
坐り続けた、
水を浴び続けた、
冷水は、身体をはじけ飛んで行く・・・・・
或る日森を歩いていた
切り株に躓いて転倒した、
何気なく上を見上げる、
青い空がある、
樹々の間に真っ青な空が見える
その空を美しいと思った、
涙が出る程、美しいと、思った、
輝く日々の事を思い出した
林も森もすぐそばにあった
そこで俺は毎日
飛び跳ねる様に生きていた
世の中は活力に溢れていた、
土は、土として、
木は、木として、そこにあり
俺も俺としてそこに、生きていた
そうなんだ
あんな風に生きればいいのだ
風の音に耳を澄ませて聞く様に、
自然の気配を感じる様に生きていれば、
 
 
「そうですね」
 
 
和尚様は、初めて出逢った日の様に
優しい笑顔で私に言った
「九州の福岡にある太宰府天満宮へ今度、
御一緒しませんかな、
菅原道真公が、天才が故に
京都からこの地に流されましてな、
その道真公が亡くなられたその日、
一夜にして、京都よりこの地に、
愛していた梅が根付いてしまったと言いましてな、
社殿の前に、今でも息づいている古木があるそうです
五万本の梅の木の中で
最初に開花するのが、
その飛梅だそうです、
でも、貴方、
女の子と行っちゃいけませんよ
中途半端な気持ちの二人が
ここをデートコースに選ぶと
天神様が仲を裂くと言われて居るそうです」
 
「有り難う御座います、是非行きましょう
本当ですよ」
 
山門を出る時の和尚様の笑顔、
とうとう、約束は果たされなかった、
 
空を
自然過ぎる程、自然に雲が、流れて行った。
 
 
 
1985年 3月  発行
「卒業文集 やまなみ 31号 より」
 
イメージ 1

せせらぎ


翌日は、朝4時に起きるのだと言い渡された
心が眠らせないようにしたのか、
その夜、目だけは開いたままで閉じようとはしなかった
 
朝4時、読経が始まる
「ハラの底から声を出すのだ」と、和尚は言う
 
「経が読めない」と、答えると
 
「読むのではない、声を合わせて、
わしの後を真似しろ」と、言う
 
一時間の正坐が終われば、本堂のそうじ。
山から清水をバケツに汲んで、
雑巾をキリリと絞る、
広い堂を、たった一枚の雑巾で磨き回る、
寺の本堂が野球場くらいに思えた
その後又、
別の種類の読経をやり終え、
やっと、朝食にありつく、
一汁一葉、
麦が、半分程入っている
朝食が、これ程、美味く喰えたのは、
初めてだった。
そして又、読経、
今度は本格的なものである
板間の上に直接坐る、
じっと瞑想する時もあれば
経を読まされる事もある、
二日目、とうとう喉がつぶれた、
あまりに痛むので唾を吐くと
血が混ざっている、
「つぶれましたな、早いですな」
和尚は、それのみ言う、
足の甲にたこが出来、
尚、座り続けるので、つぶれ始めた
気が遠退く程、痛い
更に三日目の朝、
水行が、始まった、
早春、しかも朝4時、尚且つ山からの清水、
「頭から被ってはいけない、
まず、肩の辺りに桶の水を叩き付けるように
被るのです」
服は着ていない
フンドシだけは絞めている、
下半身の急所が
驚く程、縮みあがった。
 
午後からは山道を歩く
喋ってはいけない
黙って経を唱え乍ら
唯、真っ直ぐに歩けと、教えられた、
 
 
 
 
 
せせらぎ

高校までしか
行けなかった
ノ~~~タリンな私の、
高校4年生の
卒業文集に、出した作品を
載せてみます ナウ
 
 
・・・・・
追伸
高校4年生ってのは、
留年したんじゃ、有りまセヌ
定時制課程なので、悪しからず
 
 
 
 
イメージ 1

四年 瀬羅せせらぎ
 
 
心字池を見つめ乍ら、
映る時の流れを哀しむ度、
古寺の和尚の面影が空一面に拡がる。
春の知らせが届く頃、
一番最初に開花する飛梅を教えてくれたのが
彼だった。
 
 
 
人混みの中、幾対もの瞳に囲まれて
唯一度、立ち止まる事すら許されない
後歩行者等が
俺の背中を押し、足を蹴り
「何故、止まる、邪魔だろ」
そう叫び乍ら皆、同じ方向へと進み行く
その声は、後へ後へと続く、
終いには、
「殺されたいか」 と、ほざく者が居る
最早、
「人」ではない
たかが同じ方向へ、
しかもグルグルと回転し続ける秤の中で
その同じ早さで歳を喰らい
生きている事自体が無駄であり
間違いである事を知り乍らも尚・・・・
 
苦しんだ俺が出した結論は
会社を辞め
仮に演じた自分を捨てる事だった・
帰郷列車の窓に映る我顔の淋しさに目を潤ませて
それをレールの響きが優しく宥めてくれる。
 
看板の文字が、半分は消え去り
読む事、出来ぬ、
そんな古びた駅へと、辿り着く、
瞬時、レールの響きが無くなり
何気なく車外へと、出てしまう、
降り人は、その他、老人一人のみであった。
その柔らかい表情は、俺の方に向いていた、
「若いの、あんまり見ん顔だな、
この土地に知り合いでも居るのかな」
 
「・・・・・・・・」
何故か解らんが、黙りこくってる内、
列車は駅を抜け出る様に走り去り、
老人と俺との二人だけの空間が残されてしまった
 
「こりゃ、じじいがこうしてものを訪ねとるというのに、
何とか答えんか」
老人の瞳が笑っている
「知り合いなんか居ないんです」
 
「やっと答えてくれたな
それでは、何か用事でもあるのかな」
 
「いや、別に」
 
それから暫く黙って俺を見ている
俺は照れくささ故に目のやり場を失い
俯いてしまった。
 
 
「貴方、時間はあるかな」
 
「はっ?」
 
「わしはそこの古寺の坊主をやっとる、
居るのは、わし一人じゃ、
丁度、話し相手に不自由しとる、
どうだな、わしの相手をして貰う訳にはいかんかな、」
 
列車も行ってしまった事だ、
それに付けて昨日までの、
時計をチラチラした生活から今、解放されている
「いいですよ」
一・二度頷いた後
「すまんな」
そして、テクテク老人は歩き出した
その背中を見つめ無心で付いて行く、
改札口を抜けると舗装されてない方の細道へと入って行く
初めて来る所ではあるが、
何故か辺りを見渡す事もせずに背中ばかりを
眺めていた、
「自然とは、良いものですなあ」
突然、彼が喋り出した、
「貴方には今、季節は何時にかんじます」
 
「冬ではないでしょうか」
 
「しかし、早雪もほとんど解けてしまってるでしょ、
それに、年賀状に貴方は書きませんでしたか
『新春』だとか『迎春』などと」
「うーむ・・・・」
 
「何故、冬だと解りましたかな」
 
「何故でしょう、寒いからかなぁー」
 
「成る程」
老人は前を向き
そして歩き乍ら質問を続ける、
 
「貴方の思って来た事が間違っていたなら
今日までの貴方は損をして来た事にになりますなぁ」
「・・・・・・」
「そしたら、貴方は何を恨みます、
親ですかな
友人ですかな
兄姉ですかな・・・・・
それとも、自分でしょうかな」
そう問われた瞬間、
自分が寺の山門の前に居る事に気付いた、
椎の木の上姿が、土塀の向こうに見えた
古びた山門の向こうには、
何とも落ち着いた講堂が見える
左奥へと目を移すと庫裡があり鐘楼の周りを
覆う様に砂利石が敷かれてある、
「世の中です」
「誰か一人を集中して憎しみをぶつけるのは
好きじゃないですから、
恨むのは、世間です、社会です」
 
「貴方は大層な人ですなぁ
それならば、自分以外を皆、
敵に回すおつもりですかな」
 
「・・・・・・・・・」
 
「貴方はそれ程に強いのですかな」
 
早春の優しい光とは裏腹に
厳しい老人の言葉に
次第に俺の口は動かなくなって行く、
これが、もし戦いの場ならば
成す術もなく、
簡単に相手に一本を取られているのだろう。
 
和尚は、今度は優しい瞳をして俺に言う
「どうですか、行に入っては、
自分を、修理してみては」
 
頭の中で考える。
今が夏ならば、寒さも無いだろう
冷たい本堂に座り続ける事は、
俺では出来ない と思った、
 
「今のままでは、自然を素直なままに
見られんでしょう」
和尚が、催眠術をかけて行く様に思えた
 
「辛いでしょう」
 
「ホホッ、かなりにね」
 
「・・・・・・・」
 
「しかし出来ない事ではないでしょうなぁ」
 
「お願いします」
そう、
つい、と言う言葉が、これ程似合う事はないと思い乍ら
OKしてしまった。
 
 
 
 
 
 
続くのさぁーー
さぁーーー
 
 
せせらぎ

あかいキリン

何をやっても、うまく行かないキリンは、神様に強く強く願いました「ボクにみんなにはナイ才能を与えて下さい」と、
その次の日、目が覚めると、何とそのコは、他の仲間達の其れとは違って、あかいキリンに成って居ました。
イメージ 1
嬉しく成ったこのコは、みんなに見せびらかしました。
しかし、みんなの反応は、予想して居たのとは違って、一人だけ色変わりのこのコを気味悪がって、仲間外れにしてしまったのです。
一生懸命、仲間に戻ろうとお願いするのだけど、その時初めて気付く事が有りました、それは、声が出ない・・何度も何度も試してみるのだけど、やっぱり声が出ない・・・仲間達からも見放され、いつも一人でポツンとして居た・・・「こんなの酷いよ」あかいキリンは声に成らない声で必死に叫びました、でも願いは叶えられるのは一つだけらしく、もう、元には戻れませんでした。
イメージ 2


せせらぎ

土に残った汗の匂い  最終章(再編集版)

第3章

は・し・れ

は・し・れ





今、この町の中学校のマラソン大会が、行われています、
出場資格が有るのは、

1.この中学校の生徒で有る事。
2.それ以外の場合、この中学校の許可を得て、特別、了解を得ている
者とする。
3.健康面に問題なく良好な状態で有る事。

現在、独走状態で2位以下を大きく引き離している、ランナーは、前の3つの約束を、全て破って、どんなにいい成績を修めても、正規には認められ
る事のない、小学5年生のわざと風邪を引いて、熱をだして、
無理やり出場し、みんなを困らせている、少年です。


走二くんは走り続ける、誰にも追い着けない程のスピードで、

あたし達、今、何しにここに来ているの?
瞬きするのも忘れて、彼を見つめて、
彼は何の為に走ってるの?
こんなに沢山の人達に迷惑を掛けて。

ねぇ
走二くん、教えて?言いなさいよ、答えなさいよ
そ・う・し゛・・・・・・く・・・ん・・・・



その時、突然、走二くんが、立ち止まったの、咽こんで、苦しそう、
ついには、両手と膝を地面落として、俯いたまま、
みんなが一斉に駆け寄ります。

「よーーーし動くな走二」
「ええからええから、そのまましてろ」
「救急車じゃー誰か、すぐ救急車を呼んでくれ」
「よーがんばったのぉ、もうええ、うん、もうええ
から」

「大丈夫か走二」
「中学生相手にここまで、ようやったなぁ」
「さぁ病院へ行こう」















は・し・れ・そ・う・じ


は・し・れ・そ・う・じ


は・し・れ・そ・う・じ

















「ううっー」
「うぁっー」

「あああああああああああ」
走二くん叫んだ!!!

そうして、立ち上がろうとしている、必死に起き上がった。
「走二、駄目じゃ、起きたらいけん」
「じっとしとらな、あかんよ」
先生もみんなも走二くんを阻もうとしていた


でも
でも
でも


「触っちゃ駄目ぇえ!!!」
思わず、叫んじゃった、あたし、生まれて初めて、こんな、大きい声で、 
あたしにも、有ったんだ、こんな声。

「走るんだよね」
「そうよね、まだ、走るんでしょ」
「そうよ、負けちゃ駄目よ」
「お兄さんがゴールであなたが来るのを待ってるわ」

「そうだ、そうだ、がんばれ走二」
「走二、負けんなぁ」
「よーし、俺達が付いてるからよぉ」
「行けぇー走二」

あたしの一言が、彼を止めようとしていた集団を、一気に、応援する集団
に変えちゃった。

走二くんが、再び走り始めました、その後を、彼の大応援団が続きます
さらにペースを上げる彼、もう、誰も止められない。

風のように、力強く、一歩一歩・・・・


は・し・れ

は・し・れ

は・し・れ
















見えて来た!!!!









ゴールが!!!!













もう少し


もう少し


来た来た来た!!!!!・・・


1等賞よ、中学生相手に、小学生の彼が、すごいでしょ!!!!
あたしの、クラスメートなんだから、
すごいでしょう!!!!


もう少し
もうちょい





  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  




走二くんが























走二くんが・・・・倒れちゃった、ゴールまで、ほんの僅か残して、
土の上に、うつ伏せに・・・


「おっ・・・おんなじじゃあ」
「あん時と おんなじじゃあ」
と、先生が・・・・・























は・し・れ




















は・し・れ




















走二、

上、見上げてごらん

空が、広がってるだろ

きれいな、大空

おっきいだろ

いいかい

つらい事が、有ったら

いつでも、空を見上げてごらん

くもってたって、関係ない

はれる迄、まってればいいのさ

はしれ、そうじ

いっつでも

この、大空に

おれが、居るからな





















倒れてる、走二くんは、何処となく、嬉しそうで、笑ってる様にも見えた、
わざと、風邪を引いて、熱を出して・・・
お兄さんとおんなじ・・・・

真似してみたかったのね、
大好きな、お兄さんの、おんなじトコに倒れて、
ひょっとして、
その土の上には、まだ、
お兄さんの、汗の匂いが・・・

残っていたのかも知れません。




読んでくれて、ありがとう   おわりです   せせらぎ


第2章


或る日曜日の朝です、何時もの様に顏を洗ってます。

えっ!!走二くん?
走二くんが前を通り過ぎていきます
慌てて、「おはよぉ~」
最近のあたし、必ず彼に「おはよう」を言うようにしたんです。

(大将の事、言えないなぁ、あたし)
んっ?ちょっとぉ~日曜日じゃん、今日、
「ちょっと~走二くん、今日、お休みよぉ~」
追い掛けて追い着く相手じゃないし、って言うか、もう、見えないしぃ~・・・さすが。

そして、
また、しばらくすると今度は、

「おおおおおおーーい」
「おおおおおおーーい」

えっ!!!先生だ、担任の先生が、自転車で登場です
「先生、おはやうございまーす」
「走二、通らなかったか?」
「走二くんなんか、とっくに行っちゃいましたよ」
「大変じゃ」
「なんか、有ったんですか?」
「あいつ中学校のマラソン大会に出る積りじゃ」
「ウソー、でも走二なら中学生に勝っちゃうかも」
「何、呑気な事言ってんだ、早く辞めさせないと」
「一人くらい小学生が、混ざったって判りゃしないわ」

「熱が有るんじゃ」

「今朝、早く、ご両親から電話があって」
「急いで行ったんじゃが、行き違ってしまった」
「このままでは兄貴の二の舞いじゃ」

「たったっ大変っ!!!」
「だから、最初から言っとろうが」
「あっあああ、あたし、すぐみんなに知らせて来る」

「わしは、このまま後を追うから、頼んだぞぉ~」


どっ
どっ
どしよう!どうしよう
走二くんが、お兄さんみたいに、死んじゃったら

どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・・・

あたし、クラス中のみんなに知らせて、それから中学校へ向って走った。

どうしよう、どうしたらいいの?
と、心の中で、唱え続けたの。
途中で、大将に会って、自転車の後ろに、乗せて貰った。
胸が、ドキドキする、嫌な予感、嫌、絶対に嫌
お願い・・・お兄さん、走二くんを、連れて行かないで。

「縁起でもねぇー話、していいか?」
「何?」
「・・・・・・」
「何? 何なの?」

「お袋の話なんだが、昨日、走二を見たっつうんだ」
「何処で?」
「 川 」
「ええっ!!!」

「・・・・・・」
「何で!!、・・・何で走二くんが、川に?」
「このクソ寒いのに水浴びしてたって、ゆうんだぁ」

「・・・・・」
「もともと変わってるやつだから、気にも留めなかったって、」
「・・・・・」
「・・・・・」

「まさか、走二くん、死ぬ積もりで・・・」
「ばぁかぁーめったな事、言うもんじゃネェー」
「だって」
「絶対、許さねぇ、もしあいつが、そんな事、考えてたら」

「・・・・・」
「こないだだってよぉ、わざと、負けてやったんだ、まだ決着が尽いてねぇー」

涙が、
ぽろぽろ落ちて、止まらなく成りました・・・
「バカ、泣いてンじゃネェーよ」
大将に、そう言われると、余計に泣けて来てもう、抑える事が、出来ません。

とっその時、

居た!!!!!!!

走二くんか゛居た、中学生を次々に追い抜いて、
その後ろに先生やクラスのコ達が、走二を、追いかけています。

大将は、ギャアーチェンジして一気に詰め寄り
「おメェー何、バカやってんだよ、止まれ!!!」
と、声を掛けます。

走二くんは、全く聞く耳を持たず、更に、スピードを上げて行き、
自転車ですら、追い着けないくらい。

ついには、前に居た中学生の人達、全て抜き去り、それでも、ペースが下がる事はありません。



は・し・れ・そ・う・じ



は・し・れ・そ・う・じ



は・し・れ・そ・う・じ


折り返し地点を、完全に独走状態で抜けて行きます。










第2章  すみませんが 済みます

つづく   せせらぎ   

懐かしいのを、読み返して見て・・なんか、また、UPしてみたく成っちゃいました、
せせらぎ

第1章

あたしって
表には、決して出さないけど、すごく、計算高いトコ有ります。
何時だってへらへら笑いながら、回りに合わせて、それに、
身体も丈夫とは言えず、
風邪、引き易いし、すぐ、熱とか出ちゃって、学校サボれるのは嬉しいけど、
でも、誰も、お見舞いになんて、来てくれたコト無いし、きっと、バレてんでしょうね、あたしの本性、・・・どうでもイイけど。

まぁ、あたしのコトは、どうでもイイとして、
どこのクラスにも、変なコって1人や2人は居ますよね。
でも、あたしんトコのは、変よりもっと変、いいえ、もっともっと変なコが居ます。

どんな風に?

走ってるんです、いーーーーっつも、
授業と授業の間の休憩時間もお昼休みも。
そして何より、通学の時まで、
実はあたしの家は学校から13キロも離れてて、バス通学なんです。
でも、
その何時も走ってる彼、あたしの家よりも、更に奥の方らしんです。
詳しくは知らないけど。

あたしの家の玄関の横には井戸が有って、そこで毎朝、顏、洗ったり、歯磨きしたりするんですけど、その時間に成ると、

何と!!
彼が走って、通り過ぎて行くんです、

走って、通学しているんです、何、考えてんでしょう。
体力に自信無いあたしには、考えられないコトです。

今日も、彼は前を通り過ぎて行きます、声なんか、掛けて、知り合いとか思われたらヤだから・・・
だって
こんなヤツだから、クラス中のコが、馬鹿にしてる、男子からは、嫌がらせやいじめを毎日されてるし、背中に「バカ」って書かれた張り紙、付けられたり、落書きされたり、蹴られたり、叩かれたり。
特に身体が大きいガキ大将の様なコが居て、みんな、「大将」って呼んでるんだけど。この大将には相当ひどいコトされてて。

なのに、

彼、なーーーーーーーんにも言わないの、言わないどころか、思いっきり無視、どんなにヒドイ事されても。
だから、みんな、調子に乗っちゃって、やりたい放題。

見ていて、イライラする、何かやり返しなさいよぉー
神経、有るんでしょ?
痛いんでしょ?

って、
あたし、見てるだけで、助けてあげるなんてコト無理だけど。

男子達、相変わらず今日も走二くんからかって遊んでる。
あっ、彼の名前ね。
何時もの風景なんですけどー彼も何時ものように、無視のやられっぱなし。

ところが、事件が、起こったんです。

この日は男子達、何時もよりしつこくて、
大将が何時も走二くんのしているハチマキを引っ張って、
盗っちゃったんです。
珍しく彼、反応して大将からハチマキを取り替えそうと、
大将は面白がって、なかなか、返しません。
大将=「何かハチマキに字が、書いてあるぞぉ~」
男子達=「なになに?」
    「何、書いてあんだぁ」
    「大将、読んでみてよ」
大将=「走る一?」
   「走一だぁー走一って書いてあるぜぇ」
   「誰だ、走一って」
男子=「走一つうんだから走二の兄貴じゃねぇーの?」
   「嘘ーっ走二に兄貴なんかいたんかぁー」
   「こいつ一人っ子のはずだぜぇー」
大将=「こりゃあ驚きだぜ、このマラソン馬鹿に兄貴がいたなんてよぉー」
   「どうせ、こいつと同じで、頭イカレてんだぜ」

その間もずっと走二くん必死にハチマキを取り返えそうとしてます
大将=「バーカ、渡すかテメェーに」
   「ハイ!パス」
大将は別の男子にパスして、
パスは次々続きます、
走二くんは諦めず追い駆け続けます。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・
・・・「やっ」
・・「やめなさいよぉ~」
って小さく呟いてみた、
勿論、止まる訳なく。
・・・・・

廻り回って、
ラストパスが、大将に帰って来ました。すると大将は、そのハチマキをクンクンの匂って、
「くぅ~せぇーっ」
「こんな、汚ぇーもんは、こうだ!」
っと言って、
この2階の教室の窓から、ポイッと投げ捨ててしまったんです

「ドカン!!!」 
ガラガラガラガッシャーーーン

一瞬の出来事でした。

走二くんが、大将を、殴り飛ばしちゃった。
吹っ飛んだ大将、一瞬何が起きたか理解出来ずに居ました。
でもすぐに、「このやろーぶっ殺してやる」
大将が走二に襲い掛かろうとします。
「ダメ、走二くん殺されちゃう」

ところが、走二くん、大将に馬乗りに成って抑え付け、殴り続けました、とうとう、大将、気絶しちゃった。
振り返ると、今度は、他の男子達を次々に・・・

嘘のような光景です
走二くん、
こんなに強かったの?

逃げ惑う男子達・・・
何で? こんなに強いのに、今まで、遣り返さなかったの?
教室が大騒ぎです。

男子の中には、泣きべそ掻きながら逃げ惑うコも。
何よ、情けない、今まで、大勢でたった一人をイジメてたくせに。

それでも流石にこの騒ぎを聞きつけた担任と隣のクラスの先生、

「こぉ~ら~何してんだぁ~お前達ぃ~」
「やぁーめれって」
「これこれ~」
「や~めれ~って」
2人の大人が漸く騒ぎを鎮めました。



「何があったんだ!先生に話せぇー」

でも、誰も喋りません。

「よし!男子全員、職員室へ来い」先生は、男のコ達を職員室に連れて行きました。ズラズラ一列に並ばされた男子、でも、相変わらず、誰も語ろうとはしません。

「い~つまで、だまっとんだ、ちゃんと話さねば今日は、帰さんど」
「しっかしまぁ~よく遣り合ったもんだ」
「大将なんかひでぇ~もんだな」
「日頃、いばっとるのに、このザマか」
・・・・・
「あっ走二は、先けぇってもエエぞ」
すると走二くんペコっとお辞儀して職員室、出てっちゃった、
先生、走二くんだけ帰しちゃった。

勿論、他の男子は黙ってません、
「何で?走二だけ、帰ってええんや」
「そうだ、そうだ、エコヒイキだ」
そして大将が
「あいつが、先に手出してきたんだぞ」
「悪いのは、みんな、あいつなのに」
ですってよ、こいつら最低っー!!!

みんな走二くんに引っ被らせる積りみたい、
男子、サイテー・最悪!!!あたし、さすがに頭に来て、しゃしゃり出ようかって思ったけど・・・でも、出来なかった、
あたしも、サイテーだ。



「お前ら、よっぽどの事しでかしたんだろが」
「あの走二が、怒るなんて、先生、見た事ないぞ」
すると大将が、すぐにハチマキの事、そのハチマキにかいてあった名前の事を先生に話した、名前の事話したところで、
先生の表情が変わった。

先生はしばらく、腕組をして無言に成った。

「そうか」
漸く先生が口を開く、
「う~ん」
「そんな事が、あったか」
「話といた方がええかも知れんなぁ」
「みんな、ちょっと聞いてくれるか?」
「走二には、歳の離れた兄貴がおってなぁ」
「走一ちゅうのがその兄貴の名前じゃ」
「先生、ここに来る前になぁ、中学校におったんじゃ」
「走一はわしの教え子だったんよぉ」
「足の速いやつで、特にマラソンを走らせたら県下で適うやつなんぞ、おらんかった」
「もう1年の時から校内の大会で優勝してな」
「2年の時もぶっちぎりだった」
「ついに3年の時にある陸上の有名校のコーチが見に来とったくらいじゃ」
「そのコーチも、ゆぅとった、走一ならオリンピックでも金を狙えると」
「わしゃ、自分が誉められとるみたいで、鼻、高々じゃった」
「学校中が注目した3度目の大会」
「まぁ優勝は間違いないじゃろと、誰もが疑う事はなかった」




「ところが、じゃ」




「走一のやつ、タイミング悪く前日、風邪、引いて、熱だしてしまってなぁ」
「当日も調子悪くてなぁ、」
「まぁあきらめるべ」
「そう言ったたんじゃが」
「どうしても、出るって、聞かんのよ」
「何べんも止めたんじゃ」
「それでも聞かんから、しょうがなく、こっちが、折れてしまってなぁ」
「その代わり、絶対、無理したらいけんと」
「辛くなったら、潔く棄権する事を約束させて、しぶしぶ出場させたのよぉ」
「走らせてみたら、これが、調子良くて」
「今までで最速ペースで、」
「前に言われとった、オリンピックが、夢でないと確信したもんさ」
「2~3~4位のランナーなんぞ、どんだけ後ろ見てもぜんぜん見えん」
「圧勝だっ」







「そそっそん時じゃ」
「ゴールする寸前」
「4メートルいや」
「3メートルいやいや」
「もっと、ほんすぐそこにあるゴールに辿り着けんかった」
「うつ伏せに倒れた走一の顏は真っ青になっとった」
「そいで、何かぶつぶつ、しゃべっとる」
「まだ小さい走二が走一の背中にしがみついて、泣きじゃくとった」


「は・し・れ・そ・う・じ」
「は・し・れ・そ・う・じ」
「は・し・・・・・・・・」


「救急車の中で、走一は息を引きとった」
「病院まで、もたんかった」



「あん時、わしが、何が何でも止めとけば」
「あいつの意見など聞かずに止めてやったなら」
「こんな事には成らんかったと」
「後悔した」
「後悔しても後悔してもし尽くせなかった」

「先生1回、教師、辞めたんじゃ」
「走一に申し訳なくてなぁ」
「そうしたら、夢ん中で走一に怒られてなぁ」
「さすがにしばらく中学校は辛いんで、こうやって頼んでここに入れて貰ったんよ」


「あん時の走二の悲しみ方といったら」
「もう、見とれんかったぁー」
「かわいそうで、かわいそうで」
「あいつが、こんな風にマラソンに力入れ出したは、そん時からじゃ」
「兄貴の夢を叶えてやろう、なんて、つもりなんじゃろ」
「あいつも、あれで、かわいそうなやつなのよぉ」
「まぁここは、先生の顏に免じて、勘弁してやってくれんか」
「なかよぉしたってくれ、頼むわ」
「なぁみんな、このとおり」

男子達もあたし達もみんな、泣き出しちゃって、
大将だけが、辛うじて、堪えてたみたいだけど・・・・・・


この日から、走二くんを、馬鹿にしたり、いじめたりする人間は
このクラスから、一人も居なくなりました。

それどころか、
大将なんて、走二くんの応援団を作って、その、団長になって・・・

人は変われば変わるもの、
大将の為にある言葉よ。


つづく     せせらぎ


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( ,,`・ω・´)ンンン?