「ああ~学校だぁ~」
「みんな、居ないよネェ」


「こんな時間に居るわきゃねぇーだろ」


「そうよねぇ」


「逢いたいのか?、やつらに」


「うう~ん、もう、いいよ」


「何だったら、逢わせてやろうか?」


「いいの、もう」























死神さん、あれ、何?」
「うす~いピンクに光ってる」


「ああ~ん?」
「ああー、何か動物の赤ん坊だろ、」
「ああ
いうひかり方をするんだ」


「ええー何の赤ちゃん?」


「見てみるか?」


「見たい見たい」


「よし!じゃあ、降りるぞ」







ススッスーーーッ









降りて来ると、そこは、公園のベンチでした
上に、ダンボールの箱が乗っています





ヒーーーン ヒーーーン


ヒーーーン






「ああっ!!!ワンちゃん」
「犬の赤ちゃんだぁ~」
「くぅあわいいーっ」
「こんな、ちっちゃいの」


「お~い欲しいとか言い出すなよ」


「そんな事、判ってるわよ」
「どーせ愛美は、もうすぐ、死神さんに殺されるんだから」


「違うだろーが」
「だから言ってんだろ・・・」



運命だぁ~、でしょ」
「同じようなもんじゃない」


「てめー根本的に間違ってるぞ」


「まだ、あったよねぇ?」


「何が?」


「願い事、叶えてくれるーってやつ」


「おい、ちょっと、まっま待てよ」



「この子の飼い主を見つけて」



「はぁあーーーっ??」




「この子が、倖に暮らせる優しい飼い主さんを、見つけて」


「ちょーーーと、待って」
「お前ふざけんなよ」
「こんなの、の為に、何、考えてんだ」
「このピンクの光、」
「こいつも、もう長くねぇーって信号なんだよ」
「この光が、だんだん薄くなって行って」
「まっ白に成った時が、こいつの最期だ」


「この子を助けると運命が変わっちやうとか?」


「いや、それは人間だけの場合だ」
「獣達には死神は就かねぇ」
「わざわざ人間達みたいに知らせる必要が無いからだ」
「こいつらは、自ら命を絶つような愚かな事はしねぇ」
「それに、こいつらは、死ぬ事を恐れてはいない」
「常に生きようとは、してるけど」
「だから、こう言う風に光で表わしているんだ」
「光が白に成ったのを見計らって、魂を抜き取る」


「出来るのね」
「愛美の2つ目のお願いよ」























なんなんだ、こいつは












愛美ちゃんの2つ目のお願いが
言い渡されました
死神は、従うしかありません

そして
こうしてる間にも
いよいよ最期の時が近づきつつある訳です
死神は再び
愛美ちゃんの手を握り
夜空へと舞い上がりました





















再び、風が身体を擦り抜けていきます
夜なのに、目が馴染んで来ると
空模様も伺う事が出来ます
雲は多くはないけれど
確かに夜空を漂っています




「夜、家の外へ出るなんて、生まれて初めて」
「夜ってこう成ってるんだね」
「最後の最後に、こんなの見せてくれるなんて、」
死神さんて、優しい」

愛美ちゃんのほっぺを、銀色の滴が、流れ星のように一筋のせせらぎと成って
すっーと、落ちて行った



























死神さん、ありがとう」


「えっ?」


「本当に・・・」






















「最後の1つはどうすんだ」





















「最後のは・・・」






















「・・・」






















「最後のお願い、」
「パパとママが、悲しまない様にして、」
「愛美が死んでも、2人が、悲しまないように・・・」






















「おい!」
「ひとつ、聞いていいか?」


「何っ?」


「お前なんで、」
「なんで、願い事を、自分の為に使わねんだよ」


「・・・」


「そんな人間は、今まで、1人だって居なかった」
「人間なんて、最後は、てめぇが大事ってみんな思ってんじゃねぇか」
「死ぬ時は一人じゃねぇーか」


「愛美には、死神さんが居てくれるもん」


「俺様は、仕事だから・・・」


「愛美、今まで生きて来て、回りに居る人達、みんなに、迷惑、掛けて」
「学校に行けば、クラス中の人達が、愛美に気を使って」
「先生達もそう、校長先生まで」


「・・・」


「そして、一番、迷惑を掛けたのが、パパとママ」
「2人はとっても仲良しだったんだって」
「愛美が産まれて来るまでは、」


「んな事ぁねぇーよ」


「2人で居ると喧嘩ばかりしてる、」
「ママはお台所で、1人よ~く泣いてるわ」
「パパも前は、いっつも早く帰ってきて、毎日、一緒にお風呂に入ってくれてた」
「愛美が、産まれて来なければ・・・」



「だから、そーじゃねぇーって」






















霊界法、第4条 1項



定められた規制を破る者
及び、要請されし任務の遂行を害し
その任務を実行しない者
以上成る者は、直ちにあらゆる職務・霊力を剥奪され
天上界から追放される。























「どうしたの?死神さん」





















追放される」





















「俺」
「ありがとう、なんて言われたの」
「初めてだぜ」






















「えっ」





















「また、逢おうぜ」





















死神は、愛美ちゃんの首と腰に、有ったオレンジ色の輪を手にすると
その、両方を、力任せに、引き千切りました

その瞬間

愛美ちゃんの身体は、地上へと、落ちて行きました




きゃあーー

































におい






家のにおいじゃない






知ってる
このにおい